短所は長所 長所は短所

動画を作成してみました。動画作成は慣れないのでこのシリーズは文章先行型になると思いますが、動画も作っていく予定です。

以下の文章は動画の内容とまったく同一です。

物事の二面性について解説していく。中国思想では物事の二面性を陰と陽という二つの概念で表す。記号や図で表すこともある。下図が太極図。陰と陽が対立しあい調和しあい循環し補い合っているのを表現している。



陰と陽を別の記号で表すこともある。下図。右が陰で左が陽。この記号は『易経』という中国の古典中の古典に出てくる。今回のシリーズではこの記号を勝手に改変して使う。



まず下図のように陰陽の記号を90度回転させて縦にする。



さらにイメージしやすいように陽を白にする。下図。



これは私が勝手に作った記号なので正統な記号ではないとお断りしておく。場合によっては下図のように左右反転して使う。



いずれにしても白い方が陽。黒い方が陰である。

最初にひとりの人、ひとつの物、ひとつの性質、ひとつの出来事に内在する二面性について解説する。よく人間は長所が短所で短所が長所と言われる。一番シンプルな例から挙げていく。

性格的に大胆な人がいたとする。大胆であることは長所。よって左の陽のところに書く。陽は長所やプラスを表す。



しかし大胆な人は多くの場合がさつである。常にではないけれどけっこうな確率でがさつだ。がさつなのは短所。右の陰の所に書く。陰は短所やマイナスを表す。



ここで「大胆さ」という長所の裏に「がさつさ」という短所がぴったり貼りついているのがイメージできるだろうか。逆に言うと「がさつさ」という短所の裏に「大胆さ」という長所が貼りついている。コインの裏表の関係になっている。

逆に大胆ではなく繊細な人を例に考える。繊細なのは長所だ。だから陽。



しかし繊細な人は常にではないが多くの場合神経質。だから陰のところに神経質が来る。



これも長所である「繊細さ」の裏に短所である「神経質」が貼りついているのが分かる。逆に短所である「神経質」の裏に長所である「繊細さ」が貼りついている。やはりコインの裏表の関係にある。

世の中には自分自身に厳しい人がいる。行き過ぎなければとても良いことだ。長所なので陽。



しかしそういう人は多くの場合他人にも厳しい。それは良い場合もあるが行き過ぎると短所になる。よって陰に書く。長所である「自分に厳しい」ことの裏に短所である「他人に厳しい」ことが貼りついている。逆に短所である「他人に厳しい」ことの裏に長所である「自分に厳しい」がくっついている。



逆に他人に寛容な人がいるとする。行き過ぎなければ長所になるので陽のところに書く。今回は試しに陽を右にしてみる。右だがやはり白い方が陽。



しかしそういう人は多くの場合、自分自身にも寛容だったりする。要はだらしない人。これは短所であり陰。他人に寛容であるという長所の裏に自分にも寛容でだらしないという短所が貼りついている。




陰があれば陽があり
陽があれば陰がある

この言葉は陰の裏に要が貼りついていて、陽の裏に陰が貼りついていることを述べている。

素直であることは良いことだ。他人のすぐれた意見も素直に取り入れる。しかし素直な人はその反面騙されやすいという短所を持っている。素直さの裏に騙されやすいという性質がくっついている。騙されやすいという短所の裏に素直さという長所が貼りついている。



他人に騙されないことはとても良いことだ。長所である。しかしそのような人は猜疑心が強い、疑い深いという短所を持っていることが多い。やはりコインの裏表である。



自信があることは長所。しかし多くの場合そのような人は傲慢さを持っていることが多い。やはりコインの裏表の関係にある。



謙虚であることは長所。しかし謙虚な人は多くの場合卑屈さを持っていることが多い。これもコインの裏表の関係にある。



金離れが良い太っ腹なことは長所。しかしそういう人は多くの場合浪費家である場合が多い。太っ腹は価値あることに金をドンと使うこと。浪費家は価値ないことに金を使うこと。太っ腹の裏に浪費家が貼りついていることが多い。



倹約家であることは良いことだ。長所。しかしそういう人は多くの場合ケチであることが多い。倹約家であるというのは価値ないことに金を使わないこと。ケチは価値あることにも金を使わないこと。倹約家の裏側にケチが貼りついている。



物事を素早く解決することは長所だ。しかしそういう人は多くの場合せっかちですぐ目に見える解決策を優先する傾向にある。「素早い」という長所の裏に表面的な解決策に飛びつく「せっかち」という短所が貼りついているが分かると思う。陽があれば陰がある。逆に「せっかち」という短所の裏に「素早い」という長所が貼りついている。陰があれば陽がある。



物事を解決するのが遅いのは短所だ。しかしそういう人は時として着実に根本的に問題を解決する場合がある。「遅い」という短所の裏に「着実」という長所が貼りついている。陰があれば陽がある。逆に「着実」という長所の裏に「遅い」という短所が貼りついている。陽があれば陰がある。



外国語や外国文化を学ぶときその外国に染まりやすい人がいる。私もそのひとり。インドの歴史や文化を学ぶときはその間インド人になる。アフリカの文化を学ぶときはその間アフリカ人になる。もちろん学んでいる期間だけでありその後は日本人に戻る。染まりやすい人はかっこ悪い。しかし染まりやすいのはその国の文化を吸収しようとしていることの表れだ。染まりやすい分、吸収力は高いかもしれない。「染まりやすい」という短所の裏側に「吸収力が高い」という長所が貼りついている。「吸収力が高い」という長所の裏に「染まりやすい」という短所が貼りついている。



海外の文化を学ぶときもその国の文化に染まりすぎず自分自身を保つ人がいる。大和魂を保つ。それはかっこいい。しかしその反面海外の文化の吸収力は落ちる可能性がある。これもコインの裏表の関係にある。



陽キャと陰キャという言葉がある。陽キャは明るい人。陰キャは暗い人。陰キャであることは悪いことだと思われている。確かに陰キャだと人間関係をうまく乗りこなしていけない側面がある。世の中的には不利な場合が多い。しかし陰キャはその反面自分の世界を持っていることが多い。他人とあまり付き合わないのも自分の世界を守るためだったりする。陰キャの人は独創性を持っている場合がある。「人間関係が苦手」という短所の裏に「自分の世界を持つ」という長所が貼りついている。逆に「自分の世界を持つ」という長所の裏に「人間関係が苦手」という短所が貼りついている。



陽キャの人は人間関係をサーフィンのように乗りこなしていく。社会では断然有利。しかし周りに合わせるので独創性を持ってない場合が多い。自分の世界を持っていない。「独創性があること」を言うより「その場にふさわしいこと」を言う。「人間関係が得意」という長所の裏に「自分の世界を持たない」という短所が貼りついている。これもコインの裏表の関係にある。



陽キャのほうが一般的に出世する。しかし稀に大きく出世するのは陰キャだったりする。結論を言うとそれぞれ持ち味は違うがどちらの人材も大事である。

■作成日:2023年7月15日

2023年7月16日追記。

営業でも立て板に水のように弁舌巧みに説得する人がいる。そういう人は頭がいいと思われ評価する人もいる。しかしそういう人に営業されるとお年寄りとかだとだまされていると思ってしまい警戒するかもしれない。逆に訥弁だと相手によっては頭が悪いと思われ話を聞いてもらえないかもしれない。しかし誠実さが伝わり信頼されるかもしれない。立て板に水は頭がよく見えて陽だが警戒されるという陰がその裏に貼りついている。訥弁は頭が悪いと思われるので陰だが信頼されるという陽が貼りついている。

本当は一番いい営業は口コミで勝手に広がっていくことかもしれない。営業は営業担当者が語る。口コミは商品の持つ真理が自ら語る。商品のもつ優れた点が客をしてその商品を他人に勧めたくなる。真理自体の力で広がっていく。もちろん営業も必要だと思うが、真理自ら語るのが最も優れた営業なのだろう。

続きはピンチはチャンス チャンスはピンチをご覧ください。

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