志を立てる

常にあらゆる状況で真理を学び続けていると、それらの真理があわさって自分が実現したい真理が形成されてくる。その真理を認識しなおし、それを実現しようと決意することが「志をたてる」という事である。

志ははじめは自分の持っている悩みや問題意識から始まる。この段階ではまだ解決策は見えない。問題の解決のために知識や情報を集める。それらの知識は自分の問題意識というものを核として総合され真理となっていく。そして真理をあらゆる場面で常にとらえ続けると自分が実現したい真理が徐々に形成されていく。それが独創性である。

その真理を再確認し、それの実現を決意することが「志を立てる」ということだろう。

松下幸之助に次の言葉がある。『道をひらく』から引用する。

志を立てよう。本気になって、真剣に志を立てよう。生命をかけるほどの思いで志を立てよう。志を立てれば、事は半ば達せられたと言ってよい。
志を立てるのに、老いも若きもない。そして志あるところ、老いも若きも道は必ずひらけるのである。
今までのさまざまの道程において、いくたびか志を立て、いくたびか道を見失い、また挫折したこともあったろう。しかし道がない、道がひらけぬというのは、その志になお弱きものがあったからではなかろうか。つまり、何か事をなしたいというその思いに、いまひとつ欠けるところがあったからではなかろうか。
過ぎ去ったことは、もはや言うまい。かえらぬ月日にグチはもらすまい。そして今まで他に頼り、他をアテにする心があったとしたならば、いさぎよくこれを払拭しよう。大事なことは、自らの志である。みずからの態度である。千万人といえども我行かんの烈々たる勇気である。実行力である。
志を立てよう。自分のためにも、他人のためにも、そしておたがいの国、日本のためにも。

その人の志はその人の持つ悩みの深さ、問題意識の深さに比例する。しかし悩みを悩みで終わらせ、問題意識を問題意識で終わらせてはならない。その解決のために努力する必要がある。知識を集め試行錯誤する必要がある。

常に真理を学んでいれば、その真理が総合されて自分の実現したい真理が形成されてくる。その真理の深さに志の深さは比例する。真理をとらえる人は常に学ぶことで志を深くしていく。

続きは真理を尊敬するのが「公」。真理がないのが「私」。をご覧ください。

■関連記事 ビジネスリーダーの哲学と現代日本 2023年9月~10月


■このページを良いと思った方、
↓を押してください。


■上部に掲載の画像は山下清「ほたる」。