FFVII解釈

Final Fantasy VIIというゲームがある。ストーリーが秀逸なゲームだ。このゲームのストーリーは無意識と精神病そして天才がテーマの一つになっている。最初の動画は主人公クラウドたちがブーゲンハーゲンという老賢者のもとを訪れ、プラネタリウムのような設備でライフストリームに関する説明を受ける場面だ。REDXIIIの一番の功績はクラウドたちをブーゲンハーゲンに会わせたことだ。後にクラウドたちはブーゲンハーゲンの知恵によりホーリーの重要さに気づくからだ。32:30~36:00を参照ください。

ライフストリームとは人や動物、草木、川、岩など自然すべてものの生命エネルギーである。言い換えると人間を含んだ自然の無意識と言ってもいいかもしれない。人はそこから生まれ死ぬとそこに還っていく。しかし人はライフストリームに触れると精神が崩壊する危険がある。次の動画はティファという女性の登場人物が男性の主人公クラウドとともにライフストリームに落ちていく場面。5:17~7:05を参照ください。

精神病について述べた箇所で書いたが自分の無意識が意識に侵入すると精神病になる。ライフストリームでは自分の無意識ではなく他者の無意識が侵入する。ティファに生じている現象がライフストリームに落ちた時の現象だ。

ティファはもともと健康だし、ライフストリームに落ちたのも短時間だったので精神の危機にはなるが精神は崩壊しない。それに対してクラウドは5年前に宝条という科学者にジェノバ細胞を埋め込まれ魔晄漬けにされているため精神を病んでいる。その上でさらに長期にわたってライフストリームにいたため精神が崩壊する。次の動画5:20~9:00を参照ください。ライフストリームに落ちて行方不明だったクラウドとティファが再会する場面。せっかく再会できたのにクラウドは完全に精神崩壊している。

8:40の医者の言葉。「魔晄エネルギー内に潜むぼうだいな知識の量・・。それがいっぺんに彼の頭の中に流れ込んだのだろう・・。普通の人間には耐えきれるものじゃない。生きているだけでも奇跡だ!」。この言葉からライフストリームとは他者の無意識だと分かる。

次はクラウドがティファの献身的なカウンセリングで精神的に立ち直った後の動画。28:56~30:00。

クラウドは言う。「良くも悪くも心が強い人間はソルジャーになる」。ソルジャーとは戦闘のスペシャリスト。エリートである。すでに述べたように精神が十分に大きければ無意識に心が開かれても精神病にならない。天才になる。ソルジャーは十分精神が大きいためジェノバ細胞を埋め込まれ魔晄を浴びても正気を保つ。そして戦闘能力が上がる。ソルジャーは天才に近い。

しかし精神の大きさが足りないと、精神病になる。「オレのように弱い人間は簡単に自分を見失ってしまう。」とクラウドは言う。クラウドを弁護するとクラウドは他のソルジャーより長期間にわたって魔晄漬けにされているため精神を病んでも仕方ないと思う。

ソルジャーは心が強い。しかし天才ではない。FFVIIでは二人の天才が登場する。エアリスとセフィロスだ。セフィロスは実は一度ライフストリームに落ちている。次の動画だ。24:30~25:49。黒い服を着た銀髪の男が英雄セフィロスである。

5年前の回想シーンだが、クラウドより圧倒的に強いセフィロスをクラウドが火事場の馬鹿力で投げ飛ばしセフィロスはライフストリームに落ちる。クラウドはやはり凡人ではない。通常であればセフィロスも精神病になるが、天才セフィロスはそれをインスピレーションに変える。次の動画の47:02~47:54を参照ください。

セフィロスは「ライフストリームの旅人となり古代種の知恵、古代種以後の知恵を手に入れた」と言う。天才が無意識からインスピレーションを得るのと同じようにセフィロスはライフストリームからインスピレーションを得ている。天才が無意識のインスピレーションを得て「これだ!!」と思うようにセフィロスも「これだ!!」と思ったに違いない。「まもなく未来を作り出す」とも言う。以下の引用は以前の文章のコピペ。

たとえ話をする。天才と精神病と健康人の関係を火山とその近くの街に譬える。火山の噴火でマグマが地中から噴き出る。これは無意識が意識に噴き出るのと同じとする。火山の近くに街がある。これを意識とする。 精神病者は火山の噴火により街が大混乱している状態である。無意識の噴出で意識が混乱している。健康者は火山の噴火がないため街は平和である。それに対して天才は火山の噴火を発電のために利用して街に電力を供給し、街は豊かな暮らしをしている。天才が無意識のインスピレーションを生かして優れた作品を創っているのを喩える。

セフィロスはライフストリームという「噴火」から「発電」を行えている。創造的な知恵を得ているからだ。クラウドが「噴火」により混乱しているのとは対照的だ。

ではセフィロスの狙いは何か。次の動画の32:10~32:50参照ください。

セフィロスの目的は宗教的な方法で自ら神になることである。破壊魔法メテオによってセフィロス自身やクラウドたちが住んでいる星、つまり地球に大きな傷をつける。その傷をいやすために星は精神エネルギーを集める。そのエネルギーで神になるという。

通常宗教的修行は自分自身の無意識を用いて行う。地球全体の無意識を用いるということはない。山の洞窟にこもって山気を補充するというのはある。しかしそれは補助的でサプリメント程度である。FFVIIはゲームなので現実にないことも描ける。そっちの方が確かに面白いのでゲームとしては正解である。

人間は自分の中にものすごいエネルギーを持っている。我々凡人でもそうである。そして普段は気づいていない。そのエネルギーが精神病というかたちで噴火することもある。天才はその噴火を発電に変える。次の動画はティファがクラウドを精神的に救った後の言葉だ。 28:00~を参照ください。

「人間って自分の中になんてたくさんのものをしまっているんだろう・・。なんてたくさんのことを忘れてしまえるんだろう・・。不思議だよね・・。」という言葉は非常に印象的だ。ティファの献身がなければクラウドは復活しておらず、クラウドたちは星を救えなかったはずだ。ティファの物語に対する貢献は実は大きい。

FFVIIについては別記事でも書いている。興味がある方はこちらのリンクからどうぞ。


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