なぜビジネスか

私が思想を書くにあたりなぜビジネスを重視するかを書いておきたい。 もっともビジネスだけを重視しているわけでは決してないが、ビジネスを非常に重視しているのは事実である。なぜか。

最近日本は元気がない。みな下を向いている。私はバブルの頃のエコノミックアニマル的な元気の良さが正しい元気とは思わない。若い人で「バブルなんて知らないよ」と言う人は当時の映像をyoutubeなどで見ていただければと思う。金はあったかもしれないが浮かれているだけだ。80年代は日本は輝いていたと言う人もいるが私は輝いていたとは思わない。しかしだからと言って現在の日本の元気のなさが良い状況とも思わない。

日本人で働いている人の多くは会社員である。我々一般人である会社員が元気にならないと日本は変わらない。我々一般人が生き生きすることが日本が生き生きするのと同義である。そのためには当然ビジネスが活性化する必要がある。

そのうえで中国思想は非常に有効な気がしている。思想には知的な側面と精神的な側面がある。中国思想の知的な側面はビジネスに応用ができる。ビジネスが活性化し日本が再び元気になる可能性がある。さらに中国思想には精神的側面もある。道義を重視するので、儒教が正しく理解されれば、再び日本が元気になっても正しい道義が尊重され、バブルの時のようなエコノミックアニマルにはならないだろう。金の使い方で人間性が分かると言うが道義が尊重されればバブルの時の間違いを我々は繰り返さないだろう。

中国思想は知に傾き過ぎず徳に傾き過ぎずちょうどいいバランスを保っている。知的な側面と精神的側面をいいバランスで保持している。さらに日本人は上手く説明されれば中国思想を深く理解できる可能性がある。中国思想が日本に入ってから長い年月が経っているためすでに日本の伝統にまでなっており、深いところまで理解できる可能性がある。

思想と言うのは高尚なものであるから大学の研究室など高尚な場所で研究されるべきだという人もいるだろう。それを否定するつもりはない。しかし私は研究室の人間ではない。立場が違うのでおのずと考え方も違う。思想を研究室に閉じ込めずに広く社会に活用できないかと考えてしまう。思想を思想のための思想にとどめず、もっと広く活用できないかと思う。

思想をビジネスに活用すると、うまくいけば何千万人の人々の力を借りることができる。ビジネスを通じて社会貢献ができる。もっとも見果てぬ夢で終わりそうではあるが。

あと一つ補足しておく。「哲学プロパーの思想は特に19世紀以降になるとレベルはどんどん上がるが専門外の人には関係のない思想になってしまっていてビジネスには不向きである。」と述べたが、別に私は現代西洋思想を批判したつもりは全くない。私が言いたいのはあくまで「ビジネスには不向き」と述べただけだ。これも「レベルはどんどん上がる」と書いたとおりだが、現代西洋思想は非常にレベルが高いとも思う。書いたとおり読んでいただければと思う。批判するつもりは全くなかった。念のため補足しておく。


■上部の画像は葛飾北斎

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