はじめに

これから神が存在するかについての私の考えを徐々に述べていく。世界には神が存在するという論拠や神が存在しないという論拠がたくさんある。それぞれを取りあげてどれほど確実な論拠なのかを考察していく。しかしこれは私の中で結論が出ていない問題であり、あくまで暫定的な結論である。結論から言うと「神がいる」:「神がいない」の私の確信度の比は6:4くらいである。そんな中途半端な確信度で文章を書くなと言われれば反論はしないが、あくまで暫定的な結論ということで了承いただきたい。

「神がいる」「神がいない」という両極からのどちらかに読者を導こうという立場からの考察ではない。それぞれの論拠が正しいかどうかを検討することで読者が自分自身でどの立場を取るかを正しく選んでもらおうというのが目的である。

順番に述べていく。恐らく12回ほどのシリーズになると思う。前半の記事は多くの人がすでに述べている内容を自分の考察を交えながらなぞっていく。徐々に自分の考察を展開していく。第7回以降の後半論述が本格的な論述になる予定だ。

よく言われる説だから重要ではないというのではない。多くの人が言う内容だから逆に重要だと言える。しかし記事として載せるうえでの希少価値という点では多くの人が言う説はあまり価値がない。だからそういう記事は前半に論じていく。

ユダヤ教の聖書、キリスト教でいう『旧約聖書』をこの記事では『旧約聖書』と呼ぶ。私はキリスト教徒ではない。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教それぞれからどれにも偏らず学んでいるため本当はキリスト教寄りの『旧約聖書』という言葉は使いたくないが、日本では『旧約聖書』という言葉が浸透しているのでそれに従う。

聖書の一貫性

最初の論拠は聖書の記述が非常に一貫しているという点である。読めば読むほど一貫している。確かににわかに信じがたい奇跡などが出てくるし、私もそれを文字通りには信じるわけではない。しかしその他の点では聖書の記述は非常に一貫している。自分で読んでもチンプンカンプンでよく分からないが、聖書を何十年もかけて読み込んだ人の解説を聴きながら自分でも読んでいくと聖書は非常によくできていて、その世界観は一貫しており、書いた人の信念が伝わってくる。確かに真実を語っているのではないかと思わせる。聖書を信じない人は聖書を読まなかった人か読めなかった人のいずれかだ、というのは分からんではない。

もうひとつはイエスやムハンマドの誠実さである。歴史上のイエスやムハンマドは神について語るが、彼らは非常に誠実でありとてもうそをつくような人とは思えない。これも論拠になりうる。

ユダヤ人のしぶとさ

これも以前ブログに書いた内容だが繰り返しておく。

ユダヤ人は歴史の中で常に少数民族であり、エジプトで奴隷となり、バビロンで捕囚となり、その歴史は苦難の連続であった。

さらに中東という地域はつねに多くの民族が出入りし、多くの帝国や文明が興っては消滅していった地域である。ユダヤ人のような少数民族の文化はいつ滅んでもおかしくなかった。

さらにあの地域ではキリスト教の創始者イエス、イスラム教の創始者ムハンマドという人類の歴史上もっとも偉大な人物が現れており、ほとんどの人々はそのどちらかに改宗している。

しかしユダヤ人だけは しぶとくその宗教のアイデンティティを守り続けている。何か不思議な感じがしないだろうか。計り知れないしぶとさを感じないだろうか。

西洋の哲学者などによるとユダヤ人の歴史は神が直接手を下した歴史だと言われる場合がある。出エジプト記のような海が真っ二つに割れユダヤ人を通らせた、という記述を信じたりは私はしないが、なにか計り知れない偉大な体験がユダヤ人にはあったのではないかと推測される。

ユダヤ人の自己の宗教を守り続けるしぶとさは尋常ではない。何かしら神に関する体験があったのではないかと思いたくなる。

コーランの偉大さ

これも以前ブログに書いた内容だが、論拠は全て網羅しておきたいので掲載しておく。

私はインドネシアのジャワ島のジョグジャカルタというところに旅行でいった。そして変なものを食べたため腹を下してホテルで寝込んでいた。

ねぼけまなこでうつらうつらしていた時、突然、異様な迫力を持った声が聞こえてきた。それはあたかも神の声のようであった。

そして私は自分が神の声を聞こえるようになった、とは思わなかった。その代わり私が思ったのは「そうか・・これがコーランか・・」という考えだった。

コーランを正しく聴く者はそこに神の声を見出す。これも神が存在するという論拠のうち私には思い入れのある論拠である。

続きは自然の美と精巧さをご覧ください。

■Chopin Impromptu 4


■上部の画像はルオー

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■作成日:2023/1/19


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