イエスは神か

イエスが神であるかについて昔から論争がある。

ひとつはキリスト教内部での論争。 現在はイエスは神であるというのが定説だが、 『イエスはいかにして神になったか』という本の73ページに次の記載がある。

最初期のキリスト教徒はイエスに神の名を与えることを躊躇した。 ときどき遠慮がちに彼の神性をそれとなくつぶやいた。

初期のキリスト教徒はイエスの神性に完全な確信を持っていなかったのかもしれない。 実際アリウス派という宗派がありイエスは神ではなく人であると主張していた。 325年のニケーア公会議でアリウスは異端とされ、 イエスは神でありかつ人であるという三位一体論が正統な教義とされ現在に至っている。

もう一つはイスラム教からの批判。 イスラム教はユダヤ教、キリスト教の中から興った宗教であり、 イエスを「神の言葉を預かった人」=「預言者」として認めている。 しかし預言者としては認めても決して神ではないと考える。

イエスは神であるかについて私の意見を述べる。

簡単に私の立場も書いておきたい。 書き手がイスラム教の立場から書くのかキリスト教の立場から書くのかも重要だからだ。

私はイエスやムハンマドが預言者であると基本的に信じている。 イエスの死後のキリスト教徒たちがつくった教義は「本当かな?」と思うことが多くあるが、 イエスの言葉や行動に関しては、確かににわかに信じがたい奇跡などはあるが、 それ以外は終始一貫しておりイエスが嘘をついているとはどうしても思えない。 ムハンマドも同様だ。 イエスを殺したユダヤ教のパリサイ人でさえ彼らなりに主張は一貫している。 福音書の記述は大げさな点はあっても全体として間違えていると思えない。

ではキリスト教徒イスラム教のどちらの側かと言われれば、結論から言うとどちらでもない。 海外旅行が好きだが海外では「お前宗教は何だ?」と聞かれることがある。 「仏教だ」と答えるようにしている。 仏教に詳しいかと言うとそうでもない。 イスラム教やキリスト教に関する知識と同じくらいだ。 儒教が最も詳しいが儒教は宗教ではなく思想と思われる場合があるので、 仏教と答えるようにしている。

「私はキリスト教徒だ」「私はイスラム教徒だ」と私が言ったとしよう。 その瞬間私の中にかなり強い違和感が生じる。 心の中で「違う。違う。」という否定の声が起きる。 「私は仏教徒だ」と言うと何かしっくりくるというか心が落ち着く感じがする。 この時点で私がキリスト教徒でもイスラム教徒でもないというのが明らかだ。 ただ仏教だけを信じているわけでもないので、 いろんな思想や宗教を学んでいるひとりの素人思想家の意見として読んでもらえればと思う。

続きは精神の拡大をご覧ください。


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作成日:2020/12/07

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